
会社の資金繰りの都合上、代表者が会社に自己資金を投入することはよく有る事。
この場合、会社では借入金処理となる事が多いでしょう。
逆に、会社から資金を持ち出すことも。
会社に貸し付けた資金の回収であれば、会社の処理は『借入金の返済』。
会社に貸し付けていないのに資金を持ち出せば、それは『貸付金の発生』という処理に。
そして、法人が貸付を行った際には受取利息の計上をしているはず。
例えば、法人から1千万円を借りていて利息が20万円付いた。
元金・利息共に法人に返済されていない場合、その次の年のお利息の計算はどのように?
利率に変動は無いものとして…、
案1.貸し付けた元金は1千万円であるから、金利も同額の20万円である。
案2.利息の20万円も未収であるから、元金を1,020万円として金利計算をすべきである。
税務署サイドが、
案2.で計算している企業に対して、
『それはもらいすぎだから返しなさい』という指導を行うことは考えにくい。
では、案1.で計算している企業に対して、
『金利計算が過小だからもっと取りなさい』という指導を行うことは有るのでしょうか?
要は、未収利息に対しての利息を認定するのか?と言う事ですね。
『認定利息の取扱について(昭和29年9月15日)』なる物が国税庁のHP(法人税関係 個別通達目次)に。
結論の部分を抜粋しますと、
1 同族会社の代表者等に対する仮払金(貸付金を含む。以下同じ。)について認定利息を計算することは当然であるが、当該計算に当つては、進んで複利計算によるようなことはしないで、元本である仮払金についてだけ利息を認定することとし、認定利息の集積額については、利息を認定しないものとすること。ただし当該利息を元本に繰り入れた場合または元本についてだけ返済があり、利息について未収のまま放置している場合等特に課税上弊害があると認められるときには、この限りでないこと。
2 代表者等からのもどし入額について、元本である仮払金または未収利息のいずれに充当するかは、会社計算によるものとすること。
この考え方に立てばよいという事でしょうか。
先人も同じようなことで悩んだ、川中も会計人としてその轍を歩いているんですね…。
上の画像は、国税庁のHPから転載・加工させていただきました。
起業・開業を応援する鯖江の税理士法人川中経営
税理士・ITコーディネータ 川中重司