2013年01月25日
発表された平成25年度税制改正大綱の斜め読みをしてみる
平成25年度税制改正大綱が1月24日の党税制調査会総会でまとまりました。
漏れ聞こえてくる物は有りましたが、改めて斜め読みなど。
(注)
川中の斜め読みによる取りまとめで有り、正確には、必ず原文『平成25年度 税制改正大綱』にて確認下さい。
★一 個人所得課税
◆1 所得税の最高税率の見直し
(国 税)
現行の所得税の税率構造に加えて、課税所得 4,000 万円超について 45%の税率を設ける。
(注)上記の改正は、平成 27 年分以後の所得税について適用する。
◆2 金融・証券税制
(国税・地方税)
(1)金融所得課税の一体化を進める観点から、公社債等及び株式等に係る所得に対する課税を、次のとおり見直すこととする。
@ 特定公社債及び公募公社債投資信託等の受益権の課税方式
A 特定公社債以外の公社債及び私募公社債投資信託等の受益権の課税方式
特定公社債以外の公社債、私募公社債投資信託の受益権、証券投資信託以外の私募投資信託の受益権及び特定目的信託の社債的受益権で私募のもの(以下「一般公社債等」という。)について、次の措置を講ずる。
イ 利子所得等の課税方式
一般公社債等の利子等については、20%源泉分離課税を維持する。ただし、同族会社が発行した社債の利子でその同族会社の役員等が支払を受けるものは、総合課税の対象とする。
◆3 住宅税制
◆4 復興支援のための税制上の措置
◆5 租税特別措置等
(国 税)
〔新設〕
(1)中小企業者に該当する内国法人の取締役等である個人でその内国法人の保証人であるものが、現にその内国法人の事業の用に供されている資産(有価証券を除く。以下同じ。)でその個人が所有しているものを、その内国法人に係る合理的な再生計画に基づき、平成25年4月1日から平成28年3月 31 日までの間にその内国法人に贈与した場合には、次に掲げる要件を満たしているときに限り、一定の手続の下でその贈与によるみなし譲渡課税を適用しないこととする。(地方税も同様)
〔廃止・縮減等〕
(1)社会保険診療報酬の所得計算の特例について、次の措置を講ずる(法人税についても同様とする。)。
@ 適用対象者からその年の医業及び歯科医業に係る収入金額が7,000万円を超える者を除外する。
(注)上記の改正は、個人は平成26年分以後の所得税(平成27年度分以後の個人住民税)について適用し、法人は平成25年4月1日以後に開始する事業年度について適用する。
(5)電子証明書を有する個人の電子情報処理組織による申告に係る所得税額の特別控除制度は、適用期限の到来をもって廃止する。
★二 資産課税
◆1 相続税・贈与税の見直し
(1)相続税の基礎控除及び税率構造について、次の見直しを行う。
@ 相続税の基礎控除
現行の6割に。
A 相続税の税率構造
現 行
(略)
1億円以下の金額 30%
3億円以下の金額 40%
3億円超の金額 50%
改正案
(略)
1億円以下の金額 30%
2億円以下の金額 40%
3億円以下の金額 45%
6億円以下の金額 50%
6億円超の金額 55%
(注) 上記の改正は、平成27年1月1日以後に相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税について適用する。
(2)小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例について、次の見直しを行う。
@ 特定居住用宅地等に係る特例の適用対象面積を330u(現行240u)までの部分に拡充する。
A 特例の対象として選択する宅地等の全てが特定事業用等宅地等及び特定居住用宅地等である場合には、それぞれの適用対象面積まで適用可能とする。
なお、貸付事業用宅地等を選択する場合における適用対象面積の計算については、現行どおり、調整を行うこととする。
B 一棟の二世帯住宅で構造上区分のあるものについて、被相続人及びその親族が各独立部分に居住していた場合には、その親族が相続又は遺贈により取得したその敷地の用に供されていた宅地等のうち、被相続人及びその親族が居住していた部分に対応する部分を特例の対象とする。
C 老人ホームに入所したことにより被相続人の居住の用に供されなくなった家屋の敷地の用に供されていた宅地等は、次の要件が満たされる場合に限り、相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていたものとして特例を適用する。
(注)上記@及びAの改正は平成27年1月1日以後に相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税について適用し、上記B及びCの改正は平成26年1月1日以後に相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税について適用する。
(3)未成年者控除及び障害者控除を次のとおり引き上げる。
@ 未成年者控除
20歳までの1年につき10万円(現行6万円)
A 障害者控除
85歳までの1年につき10万円(現行6万円)
(特別障害者についてはいずれも倍額)
(注)上記の改正は、平成27年1月1日以後に相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税について適用する。
(4)相続時精算課税制度の対象とならない贈与財産に係る贈与税の税率構造について、次の見直しを行う。
@ 20歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた財産に係る贈与税の税率構造
A 上記@以外の贈与財産に係る贈与税の税率構造
(注)上記の改正は、平成27年1月1日以後に贈与により取得する財産に係る贈与税について適用する。
(5)相続時精算課税制度の適用要件について、次の見直しを行う。
@ 受贈者の範囲に、20歳以上である孫(現行 推定相続人のみ)を追加する。
A 贈与者の年齢要件を60歳以上(現行65歳以上)に引き下げる。
(注)上記の改正は、平成27年1月1日以後に贈与により取得する財産に係る贈与税について適用する。
◆2 事業承継税制
◆3 教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置
(1)概要
受贈者(30歳未満の者に限る。)の教育資金に充てるためにその直系尊属が金銭等を拠出し、金融機関(略)に信託等をした場合には、信託受益権の価額又は拠出された金銭等の額のうち受贈者1人につき1,500万円(学校等以外の者に支払われる金銭については500万円を限度とする。)までの金額に相当する部分の価額については、平成25年4月1日から平成27年12月31日までの間に拠出されるものに限り、贈与税を課さないこととする。
◆5 租税特別措置等
◆6 その他
(国 税)
(1)日本国内に住所を有しない個人で日本国籍を有しないものが、日本国内に住所を有する者から相続若しくは遺贈又は贈与により取得した国外財産を、相続税又は贈与税の課税対象に加える。
(注)上記の改正は、平成25年4月1日以後に相続若しくは遺贈又は贈与により取得する国外財産に係る相続税又は贈与税について適用する。
(5)金銭又は有価証券の受取書のうち記載された受取金額が5万円未満(現行3万円未満)のものには、印紙税を課さないこととする。
(注)上記の改正は、平成 26 年4月1日以後に作成される受取書について適用する。
★三 法人課税
◆1 民間投資の喚起と雇用・所得の拡大
(国 税)
〔新設〕
(1)国内設備投資を促進するための税制措置の創設
昨年対比110%の取得等をした生産設備については、特別償却(30%)と税額控除(3%)の選択適用
(2)企業による雇用・労働分配(給与等支給)を拡大するための税制措置の創設
その法人の雇用者給与等支給増加額の基準雇用者給与等支給額に対する割合が5%以上であるときは、その雇用者給与等支給増加額の10%の税額控除(上限有り)ができることとする。
(注1)雇用促進税制等との選択適用とする。
(3)商業・サービス業及び農林水産業を営む中小企業等の経営改善に向けた設備
投資を促進するための税制措置の創設
青色申告書を提出する中小企業等で経営改善に関する指導及び助言を受けたものが…、特別償却(30%)と税額控除(7%)との選択適用。
(所得税についても同様とする。)
(注1)経営改善に関する指導及び助言とは、商工会議所、認定経営革新等支援機関等による法人の経営改善及びこれに必要な設備投資等に係る指導及び助言をいう。
◆2 中小企業対策・農林水産業対策
(国 税)
〔拡充等〕
(2)交際費等の損金不算入制度における中小法人に係る損金算入の特例について、定額控除限度額を800万円(現行600万円)に引き上げるとともに、定額控除限度額までの金額の損金不算入措置(現行10%)を廃止する。
◆3 復興支援のための税制上の措置
◆4 その他の租税特別措置等
◆5 その他
(国 税)
(11)法人税の額から控除する所得税の額の計算について、公社債等に係る所得に対する課税の見直しに合わせて、公社債の利子、公社債投資信託の収益の分配等に対する所得税の額の所有期間による按分を廃止し、その全額を控除する。
相続のご相談なら鯖江の税理士法人川中経営
税理士・ITコーディネータ 川中重司
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/61717535
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック
http://blog.sakura.ne.jp/tb/61717535
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。
この記事へのトラックバック