2013年01月18日
賃借権の定義は各税法毎に異なる
民法上の賃借権の歴史を2回にわたって確認してきました。
『土地の賃借人の権利は『地震売買』を招いたほど弱いものからのスタートだった』
『借地人の地位は4回のステップを経て徐々に強化されていった』
いよいよ税法上の借地権…、民法上と税法上で借地権の概念が異なります。
民法上は(借地権が)無い・税法上は(借地権が)有る、など4通りの組み合わせが有り、
また、税法上の借地権も各税方毎に異なると。
(笹岡宏保先生の研修テキストの7頁の辺りのお話です。)
・相続税法上の借地権
建物の所有を目的とする地上権又は賃借権
(借地借家法に定義する借地権の範囲と同一)
・所得税法上の借地権
建物若しくは構築物の所有を目的とする地上権又若しくは賃借権
(構築物に関する部分について相続税法よりも範囲が広い。)
個人の土地に送電用の鉄塔を建築させる場合に権利金をもらうような場合、1億円の土地に対して7千万円の権利金の収受は譲渡所得に該当する。
相続の際のこの土地の評価は?借地権割合を控除出来るのか?
鉄塔は構築物で有り建物ではありません。
・法人法上の借地権
地上権又は土地の賃借権
『XXの所有を目的とする』とはなっていない
法人が他人の土地を借りるために支払った一時の返還不要の対価は、借地権。
支払法人側では損金にならない。
●税法上の借地権の区分は、概ね下記の4種に大別される。
・原始発生借地権(最初借りたときに発生)
・BS(会計上・税法上)記載有り
権利金を支払ったり(注)、借地権の認定課税を受けていたり。
・BS(会計上・税法上)記載無し
税務上の除斥期間経過済
・自然発生借地権(いつの間にか発生していた〜)
・差額地代型
権利金の収受せず相当の地代固定型を選択・地価上昇
(契約時から都会でした)
・事後認識型
権利金の収受せず通常の地代の収受・地価上昇
(いつの間にか都会になっていました〜)
(注)
そもそも、
何故多額の権利金を支払うのでしょう?土地を貸すだけなのに。
→
貸したら返ってきません(法定更新制度有り)、地代の値上げもままなりません。
土地を売却してしまったも同然 → 一部売却 → 底地部分が残る。
底地部分の賃料が『通常の地代』です。
他方、
権利金は支払えないけれども、その分地代で払います。
土地全体(借地権部分+底地部分)に対する地代を払います。
と言う事もあり。
通常の地代に比べて相当に高い地代になります → 相当の地代です。
税務上の借地権の概要はこんな感じだったでしょうか。
笹岡宏保先生の講義はいつもながら、難しいことを分かり易く、です。
これでテキストの13頁まで終了、次は『使用貸借』に入って行きます。
写真は…、近所の味見屋さんで『醤油カツ丼・醤油多め』で頼んだときの一枚。
『醤油多め』がとても口に合います(^^)
助成金・給与計算・社会保険のご相談なら鯖江の税理士法人川中経営
税理士・ITコーディネータ 川中重司
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