2012年11月06日

特例の適用を受けるために譲り受けた場合には、特例の適用が認められなかった事例があります。

特例の適用を受けるために譲り受けた場合には、特例の適用が認められなかった事例があります。

北陸税理士会主催の研修に参加してきました。
タイトルは『固定資産の譲渡にかかる税制適用上の留意点と相続により取得した財産その他資産をめぐる事例検証』。
長いタイトルですが重要度・highです。

さて、事例紹介その1は、『条文の文言を素直に読めば良いのか』という趣旨でしょうか。

マイホーム(居住用財産)を売ったときは、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができる特例があります。
これを、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例といいます。
(タックスアンサーより転載。)

はい、所有期間の長短には関係ありません。
ではこんな場合。
母所有の家に母娘で住んでいました。
母が家の売却を検討することとなり、その頃に、母から娘への家の贈与がありました。
売却の話がまとまり、母・娘が売り主となっての売買となりました。

所有期間の長短には関係ありません。
この場合、母娘双方に上記の3千万円の特別控除の適用があるのでしょうか?


国税不服審判所の公表裁決事例にその様な事例が掲載されています


裁決事例要旨から抜粋してみましょう。
  *** 抜粋・ここから ***
 しかしながら、租税特別措置法第35条第1項に規定する個人がその居住の用に供している家屋に該当するというためには、当該家屋を所有者として居住する意思を持って、客観的にもある程度の期間継続して生活の本拠としていたことを要すると解すべきであるところ、請求人がA建物の所有者となる前の居住期間は、同項の適用を判断するに当たり考慮すべき事実とはならず、また、請求人がA建物の所有者となった日前にA土地建物の買主から諸条件の提示を受けて購入申込みを受諾していることからすれば、同受諾した日以降は、A土地建物は買主に譲渡されることが予定されていたものといえるから、請求人がA建物の所有者となった日以降において、請求人は、A建物を所有者として居住する意思を持って居住の用に供していたものとは認められない。
  *** 抜粋・ここまで ***

母は特例の適用が認められましたが娘は認められなかった事例です。
条文の文字を読むだけでは無くて、特例の趣旨を考えないといけない。
と言う事ですね。

実はこの事例の前に真反対の事例、つまり『条文にこう書いてあるからこうなんです』という事例を紹介いただきました。

ケースバイケース、悩ましいです。


 ネットビジネスを応援する鯖江の税理士法人川中経営
  税理士・ITコーディネータ 川中重司
posted by 福井県は鯖江市の税理士 at 18:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ・研修のメモ
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