2011年09月09日

時価ってなんでじか?(所得税の場合)

時価ってなんでじか?(所得税の場合)

(血液検査の結果が良くて、アルコール摂取量が倍増しました・・・。マズイ・・・。)

北陸税理士会の全国統一研修会に参加してきました。
テーマは『所得税、法人税、相続税の時価の検討』。

時価とはいったいなんでしょう、悩むところです。

所得税における時価が問題になった事例(岸事件)

東京地裁 平成13年3月28日(原告勝訴)
 第1審:東京地裁平成8年(行ウ)第89号 、
 平成13年3月28日判決(TAINS判例検索Z250-8867、税務訴訟資料第250号順号8867)
東京高裁 平成14年3月20日(第一審原告勝訴)
 控訴審:東京高裁平成14年(行コ)第118号 、
 平成14年3月20日判決(TAINS判例検索Z252-9090、税務訴訟資料第252号順号9090)
最高裁 平成16年4月22日(上告不受理)

争点:
(1)本件契約は一体のものとして交換契約と解すべきか否か。
(2)略
(3)略

地裁の判示:
(1)法形式の選択
@このような売買と交換との制度としての関係に照らすと、資産を有償で譲渡しようとする者は、それが交換によって実現可能なものであっても売買の形式を選択することが可能である。

Aそのことは法的にみて特異な選択と評価されるものではないというべきである。

B所得税法の前記の定めは、当然にこのような売買と交換との関係を前提とするものと解すべきもので
ある。

Cこのように自由に選択可能な法形式間において課税上の取扱いにのみ差異を設けている以上、納税者が選択した法形式に従った課税をするのが同法の趣旨であるとみるのが相当であり、納税者が選択した法形式を否認して他の法形式を前提とした課税をすることは明文の根拠がない限り許されない。

(2)税法における取扱いの差異
@売買契約
 売買契約は、売主が財産権を相手方に移転することを約し、買主がこれにその代金を支払うことを約することで成立する契約であるところ、具体的な契約は、経済活動の一環として行われているものであるから、両当事者は、その代金額を決定するに当たっては、当該財産権の客観的価値のみに依拠するものではなく、当該財産権に対する主観的な価値や、当該財産権の移転に伴う税負担の多寡など、様々な要因に依拠して決するのが通常である。
 したがって、具体的な売買契約における売買代金は、必ずしも常に移転される財産権の客観的価値を反映したものとはなっていないものと解される。


A交換契約
 当事者が互いに金銭の所有権に非ざる財産権を移転することを約するものであり、交換される各財産権の客観的価値は、当事者が契約を締結するに当たっての動機形成要因の一つにすぎないことは売買契約と同様であるところ、交換契約を締結しようとする当事者においては、各財産権についてそれぞれ代金額を決定して格別の売買契約を締結することも可能であるにもかかわらず、そのような法形式を選択せず、交換契約を選択した結果、各財産権の対価について契約上表示されないこととなったことを考慮して、法は、このような場合には、 金銭以外の物又は権利その他「経済的な利益をもって収入する場合」として、 金銭以外の物又は権利その他経済的な「利益の価額」 所得税法36条1項)をもって収入すべき金額としたものと解される。

B所得税法の取扱い
 売買契約における譲渡所得と交換契約の譲渡所得について、その課税標準を異にすることを容認し、前者については、当事者間で合意された代金額を原則として尊重するという態度に出ているものである。
 したがって、当事者間においてなされた二つの売買契約において、結果として双方の有する財産権の交換的な移転の要素があったとしても、そのことから直ちに、当事者間の意思の合理的な解釈として、二つの売買契約を交換契約であると認定することは、特段の事情がない限り許されない

この事案は、個人と法人との間で互いに不動産を売買した事案ですが、
・所得税法上、交換契約の譲渡額と売買契約の譲渡額は異なるが、契約は、交換契約でも売買契約(を2つ)でも、自由である。
・売買代金は、主観的感覚や税負担等の諸事情を勘案して決めれば良く、当該財産権の客観的価値のみに依拠するものでは無い、
という地裁の判断が伺えます。


では、法人税の時価は?相続税の時価は?と、研修は続くのでした・・・。


 助成金・給与計算・社会保険のご相談なら鯖江の税理士法人川中経営
  税理士・ITコーディネータ 川中重司
posted by 福井県は鯖江市の税理士 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ・研修のメモ
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