2011年01月28日

その2:給与と外交員報酬の違い(税法上の区分の方法の面から)

20110128s.jpg

この記事は、『その1:給与と外交員報酬の違い(源泉徴収の面から)』の続編となります。

その1では、給与と外交員報酬の違いを源泉徴収の面から見てみました。
今回は、税法上どうやって給与と外交員報酬とを区分するかです。

給与は雇用契約によってその企業で働き糧を得る(=給与所得)、外交員報酬は、雇用契約ではなく委任契約により、その企業から糧を得る(=事業所得)。
ですから、支払われるものは、給与か外交員報酬かのどちらかしかないようにも感ずるのですが、保険会社等から支払を受けるものについて、税法上は、次のように区分しています。

所得税法基本通達204-22(外交員又は集金人の業務に関する報酬又は料金)
 (文章は修正してありますのでご注意)
 外交員又は集金人がその地位に基づいて保険会社等から支払を受ける報酬又は料金については、次に掲げる場合に応じ、それぞれ次による。

(1)その報酬又は料金がその職務を遂行するために必要な旅費とそれ以外の部分とに明らかに区分されている場合、その旅費の部分は非課税とし、それ以外の部分は給与等とする。

(2)(1)以外の場合で、
その報酬又は料金が、固定給(注@)とそれ以外の部分とに明らかに区分されているときは、
固定給(注A)は給与等とし、
それ以外の部分は報酬又は料金とする。

(3)(1)及び(2)以外の場合
その報酬又は料金の支払の基因となる役務を提供するために要する旅費等の費用の額の多寡その他の事情を総合勘案し、
給与等と認められるものについてはその総額を給与等とし、
その他のものについては報酬又は料金とする。


(注@)
一定期間の募集成績等によって自動的にその額が定まるもの
及び
一定期間の募集成績等によって自動的に格付される資格に応じてその額が定めるものを除く。

(注A)
固定給を基準として支給される臨時の給与を含む。


整理すると、こんな感じでしょうか。
(1)
業務遂行に必要な旅費を明確に区分して支給していれば、(サラリーマンと同じように)旅費以外の部分は給与(旅費は非課税)。

(2)
固定給(つまり、成績の如何に関わらず貰える)とはっきりしている部分は給与(=給与所得)、
それ以外は報酬(=事業所得)。

(3)
(1)や(2)のようにはっきりと区分されていない場合は、総合的に判断。


つまり、同じ会社からいただく糧でも、その内容によって、給与(=給与所得)と報酬(=事業所得)に区分され、
区分されるから、課税関係が異なり、源泉徴収票も異なるという事ですね。


では、もしも、支払者側が、その区分を間違えて、給与所得部分があるにもかかわらず、その全額を報酬として源泉徴収し、報酬の源泉徴収票を発行してくれたら、どうなるのでしょう。


受給者は、確定申告の際に、自分で給与部分と報酬部分に区分して確定申告をすれば良いのでしょうか?


 ではこれは、次回のお話と言うことで。


 ネットビジネスを応援する鯖江の税理士法人川中経営
  税理士・ITコーディネータ 川中重司
posted by 福井県は鯖江市の税理士 at 19:26 | Comment(2) | TrackBack(0) | ・徒然なるままに
この記事へのコメント
外交員報酬の税務上の取扱い、大変参考になりました。ありがとうございました。
分からないことがありますので教えてください。
1.給与と報酬がある場合は、それぞれ契約書が必要になりますか?また給与所得であれば時間等の拘束なども入れた方がよいのでしょうか?
2.上記の場合、通勤費は会社側で出してよいのでしょうか?
3.業務に必要な資格手当は給与所得、事業所得のどちらになりますか?
教えてください。お願いいたします
Posted by 岡崎 あけよ at 2015年10月07日 09:45
岡崎あけよさん、今晩は。

1.契約書…
会社に就職する、と言う事も一つの契約です(^^)
約束事をはっきりさせる、誤解を防ぐ、と言う観点からも契約書は有った方が良いと思いますよ。

2.通勤費…
これも、その会社との『契約内容』で決めれば良いことだと思います。

3.資格手当…
資格手当、という言葉からイメージするのは『固定給』という事です。固定給であれば、給与所得を連想します。あくまでも言葉からのイメージであり、実態判断すべき事ですのでご注意下さいね。

Posted by 川中重司 at 2015年10月12日 23:10
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